紀伊半島の夜空がすばらしいことは、地元
の人が一番よく知っています。熊野古道沿
いに自治体天文台がズラリと並んでいます。

尾鷲市：81cm 熊野市：45cm
和歌山県にも大型望遠鏡が複数あります。

人工衛星から写した「夜の地球」（earth
at night 2016）という画像がNASAから公
開されています。
人類の活動が分かるのですが、どこで星空
がよく見えるのか、調べることも出来ます。
紀伊半島は全体に暗く、星空がよく見える
ことが分かります。
お隣の韓国もかなり明るいことが分かりま
す。一方、北朝鮮は平壌付近だけしか明か
りが見えません。

1990年尾鷲では街中の中村山に、ふるさと
創生事業で建設され、開館当時自治体日本
一の大きさを誇りました。

お父さんやお母さんと、子どもたちで賑わ
っています。

問い合わせ：0597－23－0525
尾鷲市天体アルバムで検索

尾鷲市天文科学館から撮影

中秋の名月

秋といえば中秋の名月。
クレーターがほとんど見えず、
「海」がよくわかります。アポロ
11号の着陸点もわかります。

アンドロメダ大星雲

私たちが住んでいる銀河系の兄弟銀河。
230万光年も離れています。東紀州では
肉眼で見ることができます。

器具を使わずに見える、最も遠いところの
ひとつでしょう。

すばる

すばるが見えるようになると、秋を感じます。
7人の娘さんが森の中で踊っているという神話が
あります。青く若い星が7つ。その周りを青いベ
ールのような散光星雲が囲んでいます。
およそ500個の星の集団です。距離410光年。

すばるの散光星雲

すばるは、全体が青い散光星雲に
囲まれています。
これはメローペ附近の星雲。

二重星団

毎年盆前にペルセウス座流星群が流れる星座
の中に、肉眼でもぼんやり見える「二重星団」
があります。
望遠鏡を向けると、，宝石箱のような星々が
見えてきます。距離7500光年。

さんかく座銀河M33

300万光年の距離にある、銀河系の仲間の星団。
淡いので、空が良くないと見えません。

ちょうこく室座の銀河NGC253

明るい天体が少ない秋の空で、ひときわ
目立つ南天の銀河。急激に星が形成され
ている銀河で、スターバースト銀河とい
われています。
距離1140万光年

すばるとカリフォルニア星雲

二つの天体は並んでいますが、
すばるは肉眼でよく見えるものの、
星雲は赤外線で光っているため、
写真でないと見ることができません。

カリフォルニア星雲

同じ起源を持つ星間物質が、近くの
恒星に照らされて光っています。
暗く、赤いので目では見えません。
距離1000光年

三木里海岸から撮影

天の川

秋は空が澄んでいるので、天の川がよく見えます。
三木里海岸の天の川です。

カメラを三脚に載せ、30秒露出すると
写ります。

国際宇宙ステーション

運が良ければ、国際宇宙ステーショ
ン（ISS)が飛んでいくところも見えま
す。

10秒露出の画像を15枚重ねてありま
す。（三木里海岸）

世界遺産を繋ぐ天文現象

小惑星ビエノール(Bienor)の掩蔽（えんぺい）観測

2022年12月、小惑星が恒星を隠す（掩蔽）
現象が、東紀州で見られました。
とても暗い天体なので、望遠鏡に特殊な装
置をつけた観測になります。

志摩半島･伊勢神宮の辺りに影の中心があ
り、尾鷲は南端でしたが、観測に成功し
ました。掩蔽帯はユーラシア大陸を横切
り、スペインで終わりました。
見直すと、なんという偶然。熊野古道か
ら始まりスペインの巡礼道で終わってい
るではありませんか!

各地の観測から、ジャガイモのような小惑
星の形状が浮かび上がってきました。
研究成果として発表されました。
(Astronomy & Astrophysics July 15,2024)