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世界遺産 熊野古道伊勢路の「横垣峠」と「風伝峠」を歩いてみませんか?

更新日期:

禦浜町


熊野古道伊勢路は、美しい石畳が続くヒノキ林の中を歩くコースや、所々で熊野灘が一望できるコースなど峠ごとに多彩な風景が楽しめます。そんな数ある峠の中から私がおすすめしたいのは、御浜町にある「横垣峠」と「風伝峠」です。

この2つの峠には、この地域特有の「神木流紋岩(こうのぎりゅうもんがん)」を敷き詰めた石畳があり、他の峠にはない雰囲気の山道が続いています。熊野灘から離れた山中にあるため海を見渡せる場所は少ないのですが、所々で見られるのどかな里山の風景にほっとできるはずです。また、風伝峠では伊勢路で唯一、茶屋が営業しているので、峠で一服してはいかがでしょうか。

この2つの峠を歩けば、山道を行き交った昔の旅人のような雰囲気が味わえるはずです。ぜひ一度歩いてみてはいかがでしょうか。

<目次>

1 熊野古道伊勢路の「本宮道」

2 「横垣峠」を歩く

3 「風伝峠」を歩く

4 風伝峠で寄りたい「いきる茶屋」

 

1 熊野古道伊勢路の「本宮道」

伊勢神宮と熊野三山を結ぶ熊野古道伊勢路は、伊勢から熊野まで来た後、花の窟神社で「浜街道」と「本宮道」の2つに分かれます。「浜街道」は、新宮の熊野速玉大社をめざして美しい七里御浜沿いを進む道です。

一方、「本宮道」は、熊野本宮大社をめざして山中を進む道です。道沿いにはお地蔵様などの史跡が多く残っており、のどかな里山など美しい風景が楽しめます。今回ご紹介する横垣峠と風伝峠は、この「本宮道」にある峠です。

 

2 「横垣峠」を歩く

横垣峠は、美しい神木流紋岩の石畳、峠から見下ろす熊野灘、途中で出会うお地蔵様やさまざまな表情を見せる里山の風景など、古道歩きの楽しみを倍増させてくれる要素がたくさんあります。

横垣峠登り口バス停から折山神社までは約3.4km、1時間30分程で、多少のアップダウンはあるものの、初心者から中級者が古道歩きを楽しむにはちょうど良いコースです。スタート地点とゴール地点にはトイレや駐車場もあります。


スタート地点となる「横垣峠登り口」のバス停は、無人の農産物直売所「なかよしステーション神木」の前にあります。途中のみかん畑を通っているとみかんが食べたくなりますので、あらかじめここで買っておくことをおすすめします。


熊野古道らしい山道まではみかん畑の中を通って行きます。
「年中みかんのとれるまち」御浜町ならではですね。


どんどん歩いていくと徐々に熊野古道らしい山道が現れてきます。


横垣峠登り口バス停から30分ほどで横垣峠の案内看板と「世界遺産登録」の石標が現われます。ここから世界遺産に登録されている古道がスタート。もう少し登りが続きます。


峠までの道の中ほどには「水壺地蔵」と呼ばれるお地蔵さまがあります。
また、その横には、弘法大師が杖で穴を開けて水を出したという伝説の残る湧き水があります。きっと多くの旅人の喉を潤したんでしょうね。


登り道を歩きながら振り返ってみると遠くの景色を楽しめるところがあります。


やがて横垣峠に到達します。ひと休みするにはちょうど良い、熊野灘を遠くに望む絶景ポイントです。


峠から下り始めると、東屋が現われます。
木々に囲まれて静かな場所です。鳥の鳴き声に耳を傾けながら休憩してはいかがでしょうか。


東屋の前には「坂ノ峠」の看板があります。坂ノ峠は神木集落と阪本集落の境界になります。
ここから古道の様相が一変して神木流紋岩の石畳がスタートします。


神木流紋岩は、地殻変動のマグマが波紋状に固まったという、この地方特有の岩です。
この岩を利用した石畳が断続的に続きます。
苔むした石畳は風情がありますが、雨の後などは滑りやすいのでご注意ください。


途中の林道からは阪本集落を眺めることができます。のどかな里山の風景ですね。
阪本集落は「紀州犬の里」として有名です。


その後、いったん古道から林道へ出るところもありますが、古道に戻るとまた石畳が続きます。


下り道の途中にある「折山地蔵」です。この付近で石畳が終わります。


折山地蔵の少し先、小川にかかった丸木の橋を渡ると、世界遺産石標が立っており、ここで世界遺産に登録されている古道が終わります。


その後は、田園の広がる風景を楽しみながらあぜ道に沿って右方向へ進むと折山神社です。


横垣峠道のゴールとなる折山神社です。境内を囲む石垣が見事な神社です。
ここには駐車場とトイレもあります。
折山神社から最寄りのバス停「阪本」(国道311号)までは、さらに約1.9Km歩く必要があります。

3 「風伝峠」を歩く

風伝峠は、巨大な朝霧が滝のように山から集落へ流れ下りてくる「風伝おろし」が有名な峠です。風伝おろしは、主に春から晩秋にかけて日中と夜間の気温の差が大きかった日の翌朝や、前日に雨が降った翌朝に発生しやすいと言われています。タイミングが良ければ幻想的な風景が見られますので、ぜひカメラに収めてください!

☆「風伝おろし」の動画はこちら↓の特集記事でご覧になれます。
 御浜町尾呂志地区の秋の風物詩「アサギマダラが集うフジバカマ園」

このほか、横垣峠と同様に美しい神木流紋岩の石畳があり、独特の風情が楽しめるほか、伊勢路の峠で唯一、峠で茶屋が営業していますので、ゆっくり一服することができます。

高千良バス停または駐車場やトイレのある直売所「さぎりの里」から峠の向こうの国道311号との合流点まで約3.5キロ、1時間半程で、アップダウンが緩やかな初心者向けのコースです。標高は257mで、急な登りや下りは特になく初心者さんにも歩きやすいルートとなっています。


県道35号沿いにある「風伝峠」の看板から山道に入ります。


しばらく進むと、世界遺産登録の石標が現われます。


さらに10分ほど進むと、神木流紋岩の石畳が現われます。


石畳を10分も歩くと、一度車道へ出ます。車道を少し登っていくと、再び古道に入ります。


ほどなく茶店に到達します。(茶店の詳細は「4.風伝峠で寄りたい『いきる茶店』」をご覧ください。)


茶店の前にある「風伝峠」と刻まれた石を目印に、もう少し登ります。


少し登ると「法界塔」があります。
このあたりでは、豊臣政権時代の紀州征伐や北山一揆の際に、法界塔の付近に豊臣方が布陣したり、大規模な処刑が行われたとされています。


やがて峠を下り始めると再び石畳が現われます。石畳だけでなく、周りの石や倒木なども苔むしていて、いかにも古道といった雰囲気を堪能できます。


山の中には、熊よけの鈴が設置してありました。ただし、風伝峠道に設置されているのは2カ所だけですので、峠道を歩く場合は携帯用の鈴を事前に用意した方がよいと思います。


ゴールの近くには木製の橋があります。渡る際はつまずかないよう注意してください。


国道311号に到達したらゴールです。バスで移動する場合は、国道沿いをもう少し下った先に後地バス停があります。

 

4 風伝峠で寄りたい「いきる茶店」

風伝峠へ来たときは、伊勢路唯一の峠の茶屋「いきる茶店」にぜひ寄ってみてください。この場所には江戸時代から「風伝茶屋」があったといわれています。閉店していた時期もあったそうですが、2022年9月に現在のオーナーご夫婦が「いきる茶店」としてリニューアルしたそうです。

材料はすべて無農薬、オーガニックで、「健康に美味しいものを」というテーマのメニューがそろっています。酵素玄米おむすびセットや自家焙煎のオーガニック珈琲、風伝おはぎなどが人気です。

「車で茶店へ行きたい!」という方は、国道311号を本宮方面へ向かって進み、風伝トンネルの手前で左折して細い林道を上ってください。しばらくすると茶店が見えてきます。


熊野市街から車で茶店へ行く場合は風伝トンネルの手前を左折して林道を上って進んでください。


峠をしばらく上っていくと茶店があります。(バス停「いっぽいっぽ」から約1.5Km)


メニューには、おむすびセットやカレーなどの食事もの、おはぎや大豆ミートの唐揚げなどのお楽しみ、そしてコーヒーや何種類ものジュースなどがあり、選ぶのが楽しみです。


私が頂戴したのは、「風伝の水・さっぱり梅ジュース(400円)」と「風伝おはぎ(150円)」。ジュースは梅の風味がしっかり、甘さも控えめでちょうど良い爽やかな味わいです。

おはぎの餡は小豆の旨みが引き立つちょうど良い甘さ、上に小さく載っていた赤いものが梅干しなのにビックリ!お米はご当地・尾呂志産で、米粒の旨みをしっかりと味わうことができます。尾呂志は寒暖差が大きく、ここのお米は美味だと評判です。


別の日、気になっていた「おむずびセット」(600円)も頂きました。玄米おむすびは、噛むと一粒ごとの甘みもしっかり味わえ、惣菜2品も素材の旨みをしっかりと楽しめ、お味噌汁も絶妙な味加減!お腹もしっかりと満足でき、「健康に、美味しく」というお店のコンセプトに納得しました。

茶屋では、薪ストーブの焚き火体験などいろいろな体験メニューもあるようです。なお、土日祝月以外は予約営業だそうですので、営業日にはご注意ください。

【いきる茶店】

住所 三重県南牟婁郡御浜町栗須1863-5
電話番号 05979-4-1847
営業日 土日祝月(他は予約営業)
営業時間 7:00~17:00
駐車場
お店インスタグラム @ikilu.chamise

 

【MAP】

【参考:バス情報 熊野古道瀞流荘線】
横垣峠・風伝峠沿いの国道311号を走るバス「熊野古道瀞流荘線」の運行時刻については、
こちらをご覧ください。
https://www.town.mihama.mie.jp/material/files/group/3/kodo_r1.pdf

いかがでしたか。
横垣峠と風伝峠は、美しい石畳などを楽しみながら、のどかな里山の風景や茶店でほっとできるコースです。みなさんもぜひ一度歩いてみてください。

(ライター:紀宝町しょーじい)