美しい砂浜の海水浴場が広がる熊野市新鹿町で、肩ひじ張らずにゆったりと寛げる空間「アタシカデイズ」に行ってきました!
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熊野市

熊野市新鹿町(あたしかちょう)は、波穏やかで水のきれいな新鹿湾に接する港町です。
普段は静かな町ですが、夏場になると新鹿海水浴場へ訪れる多くの観光客が訪れ、賑わいを見せます。
また、近くには世界遺産の熊野古道伊勢路が通っているため、世界各地から古道歩きの人々が訪れる場所でもあります。
自然と歴史が今も隣り合う新鹿町に移住し、独自の方法でまちの活性化を行っているのが「アタシカデイズ」。
みかん農家を営みながら、カフェ&ゲストハウスを運営しています。
・果樹園、カフェ、ゲストハウスを営む「アタシカデイズ」

「アタシカデイズ」を主催するのは近藤久史さん。
サーフィンが好きで海のそばに暮らしたいからと、9年前に熊野市へ移住しました。
5年前に縁あって新鹿町で暮らすようになり、現在はかんきつ類を栽培する「アタシカ果樹園」を運営。
自由でフレンドリーな雰囲気を持つナイスな人柄に惹かれ、以来様々な人が集ってくるようになり、2020年に民泊「アタシカデイズ」を開業しました。
新鹿海水浴場の真ん前という絶好のロケーションにある魚屋だった建物を、友人たちの手を借りてリノベーションし、素朴で開放的な雰囲気を持つ民泊が誕生しました。
開業時はコロナ禍真っただ中で大変な思いをされたのではと思いきや、
「それほど忙しくなかったので、友人に泊まってもらったりして、良いテスト営業になりました」
と、逆風をものともせずけろり。

民泊を続けるうちに、「民泊だけではあまり地元にメリットがない」と実感した近藤さんは、「地元の人と旅人が触れ合える場所が必要だ」との思いから、2022年に建物を大きくリノベーションし、1階部分にカフェをオープンしました。
旅が好きで世界各地を旅し、20代のころにはオーストラリアでサーフィンをしながら4年間暮らした経験もある近藤さん。
地元住民と旅人が出会い、交流する、そんな旅文化をこの地にも根付かせたいと考えています。

カフェでは近藤さんの農園でできたかんきつ類のジュースをはじめ、コーヒー、かき氷、自家製酵母パンで作るサンドイッチ、さらに近藤さんのみかんを使ったクラフトビールやナチュラルワインなどを販売。
月1回、近藤さんの奥様による自家製酵母を使った長時間発酵パン「マリンのパン」の販売も行っています。

春と秋には様々な出店者を集めたマルシェを開催するなど、海の家のようなオープンな空気を持つ「アタシカデイズ」。地元の人から観光客まで幅広いファンを集めています。

2階にあるゲストハウスは、親せきの家に泊まりに来たような気持ちにさせてくれる懐かしい雰囲気がありながら、熊野古道歩きを楽しむ外国からのゲストにも愛されている明るく開放的な雰囲気が魅力の宿です。
1日1組限定の宿からは、窓を開ければ新鹿海水浴場の抜群の景観が広がります。
・移住者が小さな港町にまちおこしの息吹を吹き込む

サーフィンが好きな近藤さんは海の近くで暮らしたいと、9年前に津市から熊野市へ移住しました。
最初は熊野市の地域おこし協力隊員として地元へ入り、空き家を探していたところ、5年前にみかん畑を持つ新鹿町のおじいちゃんと出会い、意気投合。
高齢で畑の維持が難しくなったおじいちゃんから、空き家ともどもみかん畑も受け継ぎ、この地に暮らすようになりました。
「アタシカ果樹園」と名付けた畑では、もともとあった温州みかん、カラマンダリン、甘夏の木を今も大切にし、海に良くないものは使いたくないと、農薬の使用をできるだけ減らした農業を行っています。
現在ではアタシカデイズの他、「波音ゲストハウス」という民泊をもう一軒営むなど精力的な近藤さんですが
「ゆるくやってます(笑)」
と、マイペースな暮らしぶりは変わらないよう。

近藤さんは新鹿町を初めて訪れた時の驚きを今も忘れることがありません。
「三重にこんなきれいなビーチがあるのか!」
人口約600人と少ないながらも温かな人柄の住民が多く、豊かな自然環境も相まって、家族ともども移住を決断。
高速道路が近くまであり、津市の実家への行き来も苦にするほどではないため、この地での暮らしを満喫しています。
・この夏は新鹿町へ遊びに行こう!

ぐるりと三方を山に囲まれた新鹿海水浴場は、白い砂浜とエメラルドグリーンの美しい海が広がります。
環境庁が発表する「日本の水浴場88選」や「快水浴場百選」にも選ばれたこの地を代表する海水浴場です。
付近には有料駐車場(1日1,000円)が数か所あるので、車はそこへ停めてください。
また、キャンプやBBQができる場所も設けられているので、詳しくは新鹿観光協会(電話080-6920-1313)までお問い合わせを。
アタシカデイズでは、8月15日(金)の新鹿追善花火大会の日は夜までの特別営業を実施。
また、8月25日(月)には毎年恒例のファイヤーショーが行われます。
今後は酒販免許を取り、お酒の販売を行ったり、オリジナルの雑貨販売にも力を入れていきたいと話す近藤さん。
さらなる展開が楽しみです!
この夏の最後の思い出を作りに、熊野市新鹿町へ足を延ばしてくださいね。
・Farm&Stay アタシカデイズ
熊野市新鹿町479
カフェ営業:7~8月の毎週土曜・日曜、祝日 13:00~17:00(ラストオーダー16:00)、9月~5月は月1回営業、6月は休業
ゲストハウス営業:年中無休 ※利用には事前予約が必要。大人4人、子どもを含む場合は6人まで利用可能
駐車場:5台(無料)
問い合わせ:公式ウェブサイト https://newdeer.jimdofree.com/
公式Instagram https://www.instagram.com/atashikadays/
