熊野古道にきたら、せっかくなら地域で作られたおみやげ品はいかがですか。

今回は、熊野古道馬越峠に近い集落の紀北町の引本港付近で、三重県ならではのお土産をご紹介します。

引本港で唯一の生節屋さん「カネ進商店」さん

馬越峠のある紀北町。海山の登り口から車で10分の引本浦という町は、江戸時代に鰹節の製造ランキングに入るほど、引本港は鰹の水揚げが多い港でした。

その引本港で最後の生節屋さん、カネ進商店さんの商品をご紹介します。

カネ進商店さんの商品のおいしさの秘訣

生節とは、生のカツオを1度燻製した、やわらかでふっくらな食感を楽しめる食べ物です。（※生節をさらに7回ほど燻製すると鰹節になります。そのため、少なくても完成には半月かかります）

カネ進商店さんは、漁港へのカツオの仕入れや捌き、燻製、販売までを一貫してやっています。

かつお節や生節の製造はとても手間や時間がかかるため2日間かけて作るお店も多いですが、カネ進さんでは朝の4時からはじめて16時頃に作り終えるなど、半日で作り終えるから魚も新鮮でおいしいんです。

最後のひと仕上げで、骨も取ってあるので食べやすくなっています。

はじめての方へのオススメ商品

鰹節に生節に干物に、様々な商品を扱っていますが、初めてお越しの方におすすめはこちらの2点。

その1.炊き立て生節

一度炊き立ての生節を食べたら、忘れられない…！柔らかくて美味しい生節。

おすすめの食べ方は醤油とマヨネーズ。カツオのおいしさを引き立ててくれます。

生節はその場で包んでくれます。お値段はグラムによりますが、なんと1,000円以下。

日を決めて炊くため、炊き立ての生節に会えたらラッキー！Instagramで事前告知しているのでチェックしてくださいね。賞味期限は2日程度ですが、出来立てが一番柔らかいのでお早めにお召し上がりください。

その2.トッピングにちょうどいい帯カツオ

「日々、鰹節から出汁をとるのは難しいから、食感を楽しんで欲しい」という思いからできた商品。帯のような削り節で、トッピングにちょうどいいサイズ。ちょっとしたお土産にもぴったり。お豆腐やおひたしにぜひどうぞ。

販売場所

販売場所は、できたて生節は工場での限定販売。その他は高速道路内の紀北PAでも販売しています。

のぼりが見えたら、手前の砂利道を右に曲がると駐車場です。青い店舗が目印。

近隣の方が「のぼりを見て来たよ！」と来たり、車で1時間かかる松阪市からや、なんと遠方は四国からお越しの方もいます。

3代目の奥村さんは、小学生の頃にお父様から「大変だから跡をついで欲しくない」と言われ、「じゃあ継がなきゃ」と考え有言実行。大学を卒業してすぐお店を継ぎ「地元にはうちしか鰹節屋がないから、がんばろう」と、おいしいカツオを作っています。ぜひ味わってみてください！

「パックを入れるだけ！手軽に本格だし」だし屋はまじん

1830年創業のだし屋はまじん（株式会社 濵甚水産部）さん。現在で七代目で、鰹節を作り始めたのはおじいさんの代から。信頼され続け、地元企業や大手飲食会社など、たくさんのお店に鰹節を届けています。

おすすめのお土産は、鰹節を使って気軽にだしをとれる「だしパック」です。

はまじんさん商品のおいしさの秘訣

はまじんさんの作る鰹節の特徴は、全国でも珍しい「冷凍していないカツオを使った鰹節づくり」。生のかつおでつくった鰹節と、冷凍したかつおで作った鰹節は、香りや味が全然違うんです！

仕入れをしている引本港から工場までは車で1分ほど。漁場に近いからこそできることです。

はじめての方へのオススメ商品

パックを入れて煮出すだけで本格だしが楽しめるだしパック。

たくさん種類がありますが、中でもおすすめ商品を2つご紹介します。

だしをとることのおいしさ＆手軽さを伝えるべくだし教室を定期的に開催している、営業担当の濵田さんに聞きました。

濵田さん「削った鰹節で毎回出汁を取るということは、仕事や家事に忙しい毎日ではできないと思います。だしパックがあれば気軽にだしがとれます。たくさんの調味料を使わずとも【さしすせそ※】の調味料だけで、グッと味が決まるんです！ぜひ使ってみてくださいね」

※「さ」砂糖「し」塩「す」酢「せ」醤油（旧仮名遣い せうゆ）「そ」味噌

その1.一番人気「濵甚のだし」

一番人気の万能だしです。しっかり香りがあるので、カレーやシチューがより美味しく深みのある仕上がりに。もちろんお味噌汁にもお勧めです！

その2.素材の味をより引き出す「鰹と昆布のだしパック」

鰹節と昆布のいちばんベストなバランスを研究した味わいで、素材の良さをグッと引き立てます。おすすめはお味噌汁やだし巻き卵！素材の良さがより引き立ちますよ。

だしパックは、全国からネットや電話でお取り寄せされたり、まちの出汁屋さんとして直売店に地元の方が定期的に買いにきているなど好評です。

販売場所

直売店では、全種類のだしパックを販売中。

その他にもおわせお魚いちば おとと、道の駅みやまでは鰹と昆布のだしパック、田舎味、煮物だしの3種を販売中です。ぜひお気に入りのだしを見つけてみてくださいね！

尾鷲・紀北町の魚屋さんもご用達！漁師町のお醤油屋さん「引本醤油」さん

漁業が盛んで、古くから干物屋さんが多い紀北町や尾鷲市で最も多く使われているのは引本醤油さんの醤油。1900年の創業以来、100年以上愛されて東紀州の味を守り続けています。

おみやげにおすすめな引本醤油さんのお醤油をご紹介します。

引本醤油さんの商品のおいしさの秘訣

引本醤油さんの醤油は、やや甘めの濃口でお魚に合います。その理由は、創業当初から地元の漁師さんの遠慮のない声を取り入れながら作り込んできたから。お醤油は漁師町の味に育っていきました。

お醤油は脇役。お刺身や食材の味が引き立てられるような、縁の下の力持ちになれるようにとは先代の教えです。

ご家庭用の醤油は地元のスーパーにも並びます。

ご家庭用の醤油以外にも、干物屋さんをはじめとするお客様に、オーダーメイドの醤油の依頼を受け、手作業で手間暇かけて作っています。

お醤油を通じて、東紀州の干物の風味も守り続けています。

はじめての方へのオススメ商品

代表の植村さんに、熊野古道観光でお越しの方にオススメの商品をご紹介してもらいました。

おすすめ商品1.簡単に漁師町の味！甘口の合わせ醤油「魚々丸」

醤油、砂糖、みりんの合わせ醤油です。『お魚料理を簡単に、ご家庭でもたくさん食べていただきたい』という思いから生まれました。煮魚や漬け丼はもとより、三重名物の伊勢うどんのタレにもオススメです。

お客様からは「魚が苦手な夫が、煮付けを食べてくれた！」「おいしくてご近所にお土産として配りたいので、お取り寄せしたい」との嬉しい声も。

引本弁で紹介しているレシピもお土産店で配布していますので、ぜひお手にとってご覧ください。

おすすめ商品2.コンパクトで便利「おさしみしょうゆ」

漁師町ならではのお醤油はいかがですか。お刺身を主役に引き立てる味わい。小さいサイズのボトルで、おみやげにぴったりです。

代表の植村さんがお家を継いだ理由は「生涯現役！」を貫いた先代に感化されたから。醤油を通じて、漁師町の味を永く食卓に届けていきます。

販売場所

旅の思い出を持ち帰って、旅後も楽しんでください

海の恵みが豊富な紀北町で、ぜひお気に入りのお土産を見つけてみてくださいね！