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熊野古道エリア・東紀州を自転車で横断してみた[後編]― 平坦な海沿いと、気楽な帰り道

更新日期:

熊野市

禦浜町

紀寶町

前回の記事はこちら

前回は、想像以上に脚を使う場面も多く、正直なところ、なかなか走りごたえのある道でした。
その分、距離以上に長く感じたのも事実です。
実際に走行後は筋肉痛がなかなかのものでした。
それに対して、今回走ったルートは、少し趣の違う道。
とにかく平坦で、脚への負担が少なく、淡々と距離を重ねていける走りが続きます。
海沿いを走る区間が長いものの、実際には防風林に守られている場所も多く、思っていたほど海を眺めながら走る時間は長くありません。
その分、風の影響は小さく、走りやすさという点ではかなり快適でした。
後編は、そんな穏やかな走りの中で見つけた寄り道や、自転車だからこそ立ち止まれた場所を中心に振り返っていきます。

熊野市・御浜町エリア|平坦な海沿いと、思っていたより見えない海

今回は国道42号の往復が主なコースです。

熊野市駅を走り出してまず感じたのは、とにかく平坦で楽だということでした。
前回の走行を思い返すと、この差はかなり大きい。
脚に余裕があり、ペースも自然と安定します。
今回のルートは、海沿いを長く走るコース。
事前のイメージでは、ずっと海を横目に走る道を想像していましたが、実際には防風林に囲まれた区間が多く、海が視界に入る時間は、思っていたより短めでした。
ただし、ところどころでふっと現れる海の表情は、前回とはまったく違います。

入り組んだリアス海岸ではなく、遠く水平線まで視界が抜ける、ひらけた海。
同じ「海沿い」でも、場所が変わるだけで、これほど印象が変わるのかと、あらためて感じさせられました。
防風林のおかげで風の影響は小さく、冬の海沿いとしては驚くほど走りやすい。
景色を追いかけるというより、淡々と距離を重ねていくことに向いた道です。
そんな中で見つけたのが、車が入れない、脇道でした。
自転車だからこそ気になって、そのまま吸い込まれるように入ってみることにします。

御浜町・紀宝町エリア|行き止まりの道と、目的地に到着

その道は、道というより堤防です。
ゆっくりと景色を楽しみながら進んでいきます。

気持ちよく進んでいきますが、結果は行き止まり。

けれど、そこは海がすぐ脇まで迫る、静かで気持ちのいい場所でした。
特別な観光地というわけではありませんが、自転車で走っていなければ、まず立ち止まらないような風景です。
行き止まりから元の道へ戻り、そのまま南へ。
少し走り紀宝町に入ります。
国道42号から紀宝町市街地方面に入って行きます。
鵜殿港を少し立ち寄って、ほどなくして、この日のひとまずの目的地、鵜殿駅に到着しました。

ただ、時間にも余裕があり、「ここで終わりにするには、まだ少し早い」。
そんな気分で、目的地周辺を少しうろうろしてみることにします。
近くには、大きな工場が広がっています。
この立地、この規模で、今も稼働し続けている製紙工場。

北越コーポレーションの紀州工場です。
詳しい事情までは分かりませんが、この場所で操業を続けていくこと自体、きっと簡単なことではないだろう、と想像します。
走ってきた静かな道との対比もあり、この地域を長く支えてきた産業の存在感が、強く印象に残りました。
すこし進むと諸手船と呼ばれる船が格納されている倉庫がありました。
諸手船は、熊野速玉大社の御船祭で、神幸船を先導する役割を担う船です。
川と海を舞台にした祭りを、今も支えている存在だと知ると、目の前の風景が、少し違って見えてきます。

すぐ近くには、紀宝新宮道路(一般国道42号のバイパス路線)が通っています。
熊野川をまたぐ 熊野川河口大橋 は延長約821メートルの大きな橋で、
三重と和歌山の県境を結ぶ重要な架け橋として、2024年末に開通しました。
この道路ができたことで、これまで国道42号に集中していた流れが分かれ、周辺の移動が少しずつ楽になっているのだろうと感じます。
この先、紀勢道へとつながっていく道でもあり、地図の上だけでなく、実感として「線がつながってきた」印象があります。
大橋を写真に収めながら、熊野川周辺の風景にもカメラを向けます。
海の景色も美しいですが、川の流れと、その両脇に連なる山々もまた、印象に残る風景でした。

そんなふうに周囲を眺めていると、ふと、小高い場所に伸びるガードレールが目に入ります。
「あそこにも道があるな」そう気づいた瞬間でした。

自転車乗りの性と、気楽な帰り道
目的地に到着し、周辺を一通り見て回ったことで、気持ちはすっかり帰り道モードに切り替わっていました。
時間に追われることもなく、あとは気になった場所に立ち寄りながら戻るだけです。
前編では、あれほどアップダウンに苦しめられたにもかかわらず、今日は脚にも、気持ちにも、まだ余裕がある。
上に伸びる道を見つけてしまった以上、そのまま通り過ぎるという選択肢は、自転車乗りにはなかなか残されていません。
細い路地に入り、上へと続く道を探します。
乗用車だと、少し入っていくのをためらうほどの細さ。
けれど自転車なら、特に迷う理由もありません。
距離自体はさほど長くありませんが、いざ登り始めてみると、なかなかの斜度です。
ペダルを踏む脚に、じわりと負荷がかかってきました。
登り切った先に広がっていたのは、熊野川の河口と、そこに架かる紀勢本線の橋。
さらにその向こうには、対岸の新宮の街並みが見えます。
「やっぱり登ってきてよかったな」と、素直に思いました。

各スポットに立ち寄りながら熊野市へ

来た道を戻るのではなく、そのまま少し進んでいくと、国道42号線に合流しました。

帰りも同じ道ですが、途中のスポットにも立ち寄りながら帰ります。

時計を見ると、ちょうど昼時。
そして、まるで待ち構えていたかのように、「たこ焼き」の文字が目に飛び込んできます。

寄らないという選択肢は、最初からありませんでした。
看板に導かれるように足を止めたのは、たこ焼き まんまる。
オーダーしたのは、ねぎポン酢。

ちょうどお昼どきということもあり、走って火照った身体に、この選択は間違いなさそうです。
焼き上がりを待つあいだ、店主さんと少し話をしました。
前日は風が強かったけれど、今日は日中、穏やかで暖かい、そんな天気の話をひとこと交わします。
自転車で来たことに気づいた店主さんから、「今日はどこまで行くんですか?」と聞かれ、走ってきた道のことを少し話しました。
栃木出身だと伝えると、店主さんも若い頃、仕事の研修で東京に行った際、知り合った方の家に泊まりに行った場所が栃木だった、日光を案内してもらったことがある、そんな懐かしい話を聞かせてくれました。
たこ焼きを頬張りながら、旅の途中ならではの、他愛のない会話を楽しみます。
たこ焼きを食べ終え、再び自転車にまたがります。
身体も気持ちも、すっかり落ち着いたところ。
ここからは、完全に帰り道です。
同じ道を走っているはずなのに、進行方向が変わるだけで、景色の印象も少し変わる。
さきほどは気づかなかった風景が、ふと目に入ります。
そんな中、路面に描かれた NATIONAL CYCLE ROUTE の文字を見つけました。

国が指定する、自転車で走りやすい幹線ルートの目印です。
紀伊半島をぐるりと巡るルートの一部でもあり、こうした表示があるだけで、
ここが自転車で走ることを想定した道なのだと、あらためて気づかされます。
特別な設備があるわけではありませんが、自転車の存在が、さりげなく意識されているように感じました。
それだけで何かが大きく変わるわけではありませんが、走っていて受ける印象は、少し違いました。
ペダルを回しながら、こうした道が、点ではなく線として続いていくのだろうか、そんなことを考えつつ、先へ進みます。
道の駅 紀宝町ウミガメ公園に立ち寄りました。

自転車だと、こうした場所にも気軽に入っていけるのがありがたいところです。
週末にはかなり賑わう印象の道の駅ですが、この日は平日ということもあり、場内は比較的落ち着いた雰囲気。
以前、土日に訪れたときは人も多く、ゆっくり見て回る余裕がなかったことを思い出します。
今回は時間もあり、展示されているウミガメを眺めながら、しばし足を止めました。
走ってきたあとに見るせいか、そのゆったりした動きに、自然と気持ちも緩みます。

食堂のメニューもひと通り眺め、「次はここで食事をしてもいいかもしれないな」と思いながら、
写真を数枚撮って、再び自転車へ。
このあたりから、完全に帰り道を楽しむ気分になっていました。
少し進んでから、道の駅 パーク七里御浜に立ち寄りました。

ここでも自転車を止めて、少しだけ買い物をします。
店内をひと通り見て回ったあと、コーヒーを一杯いただき、しばし休憩。
走ることから少し離れて、ただゆっくりと過ごす時間です。

ふと目に留まったのが、施設の壁いっぱいに描かれた壁絵でした。
想像していた以上にスケールが大きく、思わず何枚か写真を撮ってしまいます。
こうしたところにも、この場所らしさが表れているように感じました。
コーヒーで身体も落ち着き、そろそろ熊野市へ戻る時間です。
パーク七里御浜をあとにし、熊野市へ向けて走ります。
このあたりの道は、相変わらず気持ちいいほどまっすぐ。
抜けるような青空が、そのまま進行方向へ続いていました。

特別なことは何も起きませんが、ただペダルを回しているだけで心地いい。
帰り道らしい、穏やかな時間です。
やがて、獅子岩が見えてきました。
ここで自転車を止め、記念に一枚。

何度も目にしてきた景色ですが、走って戻ってきたあとに見ると、また少し印象が違います。
そこから先は、見慣れた道をそのまま駅へ。
気づけば、今回の走行も終わりです。
走行距離は、およそ46km。
前編のアップダウンとは対照的に、後編は終始、余裕を持って走ることができました。
平坦な道、寄り道、何気ない会話。
そんな一つひとつが重なって、静かだけれど、満足感のある一日になった気がします。

前後編を通して

今回、東紀州を走ってみて、あらためて感じたのは、南北で受ける印象の大きな違いでした。
地図を見て分かっていたつもりでも、実際に走ってみると、その差は想像以上です。
紀北町から熊野の鬼ヶ城までは、典型的なリアス海岸。
入り組んだ海岸線とアップダウンが続き、前編ではブランクもあって、正直かなり苦しめられました。
それでも、その分だけ、これまで気づかなかった景色に出会えたのも事実です。
そして鬼ヶ城を越えた先からは、平坦な道が続く後編のルートへ。
後編では、脚にも気持ちにも余裕が生まれ、寄り道をしたり、立ち止まったりしながら、
まったりとしたペースでライドを楽しむことができました。
たこ焼きを食べ、道の駅で休憩し、何気ない会話や風景を味わいながら進む時間も、今回の走りを印象深いものにしてくれた気がします。
今回のライドをきっかけに、もう少し本格的に自転車に復帰したい、そんな気持ちにもなりました。
今回は1日での走破とはなりませんでしたが、季節を変えて、また挑戦してみたいところです。
次は海沿いだけでなく、山側のルートも少し走ってみたい。
……とはいえ、そちらはもう少し精進が必要かもしれませんが(笑)。

 

今回のコース