一度は体感したい! 石畳が美しい熊野古道伊勢路の「馬越峠」と周辺の「絶景スポット」を紹介します!
Update:
Kihoku Town
Owase City
1 馬越峠の魅力とは?
馬越峠の魅力は、何といっても熊野古道伊勢路の中で最も美しいといわれる「石畳」と「ヒノキ林」です。紀北町側の登り口から尾鷲ヒノキの美林へ入るとほどなく石畳が現れ、これぞ古道といった趣が味わえます。石畳はうっそうと茂る木立の中を約2キロにわたって続いており、いにしえの巡礼者が伊勢神宮から熊野三山をめざして歩いた悠久の歴史を感じられるはずです。「熊野古道の雰囲気をたっぷり味わいたい!」という方は、まず馬越峠を歩くことをおすすめします!
また、馬越峠は、周辺に絶景スポットがいくつもあることも魅力の一つです。馬越峠を訪れた際はこれらの絶景スポットにもぜひ足を延ばしてみてください!
2 馬越峠の見どころ
(1)石畳
苔むした石畳と木々やシダなどの美しさに心を奪われます。
この地域は全国でも有数の多雨地域であるため、雨から峠道を守るための工夫がなされています。
写真の下部に見えるのは、「洗い越し」と呼ばれる山側の水を谷側に流す水路で、石畳の所々に見られます。
(2)夜泣き地蔵
馬越峠の紀北町側には「夜泣き地蔵」と呼ばれるお地蔵様があります。
元々は旅の安全を祈る地蔵があったといわれていますが、やがて子どもの夜泣き封じを願う人々から夜泣き地蔵と呼ばれるようになりました。今も哺乳瓶などが供えられています。
(3)一枚岩の石橋
夜泣き地蔵からほんの少し進むと谷川に架かる一枚岩でできた橋があります。
この石橋を渡ると美しい石畳がしばらく続きます。石畳の撮影にもおすすめの場所です。
(4)馬越峠茶屋跡
峠には、明治の中頃まで多くの巡礼者や旅人もてなした「間越茶屋(馬越茶屋)」があったと言われています。
(5)桜地蔵
馬越峠から尾鷲市側に下りていくと「桜地蔵」と呼ばれるお地蔵様があります。
かつてお地蔵様の周りが桜の名所であったことから、こう呼ばれているそうです。
3 周辺の「絶景スポット」
馬越峠の周辺には天狗倉山や便石山など「絶景スポット」があります。
峠の茶屋跡には、わかりやすい分岐看板がありますので、これを目安に足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
道中はいずれも険しい道があり体力に自信のある方向けのコースなので、時間に余裕をもって歩きましょう。
(1)天狗倉山
標高522mの天狗倉山には、登山道が整備されています。
峠から天狗倉山までは600m約30分の距離です。
標高差200mほどの上りが続くため少し体力が必要です。
山頂には巨大な岩「天狗岩」がそびえ立ち、その迫力は圧倒的です!
「天狗岩」
看板から約10分進むと、天狗岩が現れます。
天狗岩を背に撮影すると迫力満点の写真が撮影できます。
天狗倉山「天狗岩の上」
天狗岩の上には、昔のトロッコのレールを再利用したハシゴで登ることができます。
※ゆっくりと安全に注意しながら一人ずつ登りましょう。
巨岩の上にある木製の看板は持ち運ぶことができますので、紀伊半島の山々を背景にするなど好みに合わせて記念撮影をしてはいかがでしょうか。
天狗倉山「山頂」
ここからの眺望は大変素晴らしく、ぜひ天気の良い日に見ていただきたいです!
尾鷲市の市街地や熊野灘を見渡すことができます。
(2)オチョボ岩
天狗倉山からオチョボ岩までの所要時間は、約40分です。(峠からは1時間10分)
少し健脚向けの道ではありますが、天狗倉山の尾根道を進むとたどり着きます。
晴れた日に行くと尾鷲市と紀北町の入り組んだ海岸線の遠くの海まで見渡せることができます。
写真はオチョボ岩から紀北町側を見た景色です。
海に突き出たような街並みや銚子川・白石湖・引本湾を眺めることができます。
右側を振り向けば、紀北町から尾鷲市を一望できる大パノラマの絶景が圧巻です!
(3)便石山
峠から便石山の山頂までは、2400m、約2時間です。
標高599mの便石山は、山頂付近にある大きな岩は象の背中に似ていることから「象の背」と呼ばれており、この地域でも人気の絶景スポットです!
道中は、少し険しい道もあり健脚向けなので、無理をせずに自分のペースで歩くことをおすすめします。
便石山「象の背」
まるで象の背中の乗っている気分!
岩にまたがると、まるで大きな象の背中に乗っているような気分になります。
また、岩に立って撮影すると、空の上にいるような写真に仕上がります。
左側に銚子川、正面には天狗倉山、右側に尾鷲湾を眺めるワイド絶景は必見です!
便石山へは、他にもいくつかのルートで行くことができます。
紀北町観光協会の歩き方やMAPを参考に、体力に応じたルートを選択してください。
象の背からの絶景を見てみたい!<便石山の歩き方>は、こちらから!
(4)馬越不動滝(馬越不動尊)
馬越峠を尾鷲側に下りた場所にある馬越公園駐車場のすぐ近くにあります。
落差約20mの美しい滝しぶきから、マイナスイオンを全身に浴びることができます。
この滝には不動明王が祀られ、雨乞伝説が残っているそうです。
4 馬越峠へのアクセス等
馬越峠の登り口(紀北町側)
国道42号沿いに馬越峠の登り口(紀北町側)があります。
付近には車が8台ほど無料で駐車できるスペースがあります。
週末や季節によっては満車になることがあります。
満車で停められない時は、近くにある「道の駅海山」や「銚子川の河川敷」への駐車をおすすめします。
公共交通機関をご利用の場合は「鷲毛バス停」で下車すると登り口はすぐ目の前です。
馬越峠登り口看板
この看板には、馬越峠と周辺の見所スポット、コースの距離、所要時間の目安などが掲載されていますので、参考にしてください。
杖の無料貸し出し(登り口)
杖を無料で借りることができます。必要な場合は、実際に握ってみて自分にフィットするサイズのものを選んでください。
尾鷲市側の降り口に同様の杖立てがあり、そちらで返却することができます。
なぜか、釣り竿の杖がありました!(笑) 軽くて持ち運びに便利なのだと思います。
クマ避け鈴等の携帯
近年、この地域でもクマの出没情報が相次いでいます。
鈴、笛、ラジオなど音の出るものを携帯し、単独行動は避けてください。
終わりに
今回ご紹介した「馬越峠」と周辺の「絶景スポット」はいずれも素晴らしい景観の広がる場所で、訪れると深い感動を味わうことができると思います。
この地域は山と海の距離が近いため、山の魅力だけでなく海の魅力も味わえるはずです。
皆さんもぜひ一度体感してみてください!
(ライター:くまのこ さん)