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日本屈指の鉱山があった町【熊野市紀和町】 国内最大級のパワーストーン 「大蛍石」は必見!

Update:

Kumano City

三重県熊野市の紀和町がかつて鉱山の町として栄えていたことをご存じでしょうか?
現在約900人の人口が最盛期には1万人を超え、町内には映画館や総合病院、百貨店やたくさんの飲食店があり、たいへんな賑わいをみせていました。

今回はそうした紀和町の鉱山の歴史とともに、周辺の観光スポットをご紹介します。

 

紀和町の鉱山の歴史について知りたければここへ!
【熊野市紀和鉱山資料館】


熊野市紀和鉱山資料館は国内でも珍しい、紀伊半島では唯一の鉱山資料館です。リアルに再現された採掘場、実際に使われたトロッコや鉱山器具などが展示され、当時の雰囲気を味わうことができます。

また、鉱山で採取された国内最大級のパワーストーン「蛍石(ほたるいし)」が展示されており、心癒す輝きを目にすることができます。

 

紀和町の鉱山の歴史

紀和町の鉱山の歴史はとても古く、奈良時代(8世紀)にまでさかのぼります。古くは大宝3年(703年)に朝廷に自然銀が献上され、天平15年(743年)には東大寺の大仏鋳造のために銅が供出されたと伝えられています。

その後も伏見城築城、名古屋城建造、名古屋城の金の鯱修理、日光東照宮造営などにも金を供出したと伝えられており、誰もが知っているような歴史的建造物に紀和町の鉱山が関係していたことに驚かされますね。


館内にある昔の坑内入口を再現した通路。当時の鉱山の雰囲気が伝わってきますね。


江戸時代の採掘方法、その竪抗道内の様子、使用されていた道具といった展示や、


新しい技術を導入し、国内屈指の鉱山へと進化していった様子など、分かりやすく展示されています。

 

「紀州鉱山」のはじまり

紀州鉱山は、昭和9年(1934年)に石原産業がこの地域にあったたくさんの鉱脈に着目し、鉱区買収して開設したことがはじまりです。紀和町の鉱山の歴史はとても古いですが、「紀州鉱山」と呼ばれるようになるのは実は昭和に入ってからなんです。

ちなみに、この熊野市紀和鉱山資料館は、紀州鉱山の本部事務所があった場所に建っています。


昭和14年(1939年)に完成した板屋選鉱場の写真です。この選鉱場は紀州鉱山を代表する建物といえるでしょう。閉山する昭和53年(1978年)まで1日も電気を落とすことなく動き続けたことから「不夜城」と呼ばれていました。ここでは地下14階層の大坑道から石を運び、細かく粉砕し、欲しい鉱物が多い粒を選別していました。選鉱場完成当時の選鉱処理量は1日1000トンで東洋一といわれていたそうです!


現在の選鉱場跡地には建物の骨組みだったコンクリートが残っており、まるで古代遺跡のようですね。ゴールデンウィークや11月の紀和ふるさとまつりの夜にはライトアップされ、昼間とは違った幻想的な雰囲気を見ることができますのでぜひご覧ください。


当時の坑内事務所の様子。注意喚起の看板や張り紙がありますが、紀州鉱山は昭和37年(1962年)から3年連続、全国の鉱山で保安成績が第1位になるほど鉱山で働く人たちの安全や環境の整備に努めていました。

通商産業大臣表彰を示す通称「金看板」の裏面には、各年度の保安成績が第1位の鉱山の名前が記されるのですが、紀州鉱山は3回連続受賞したことを機にこの金看板が贈呈され紀州鉱山に永久に残されることになりました。

熊野市紀和鉱山資料館に来られた方は、紀州鉱山の努力の結晶である「金看板」をぜひ探してみましょう。

 

この地域に欠かせなかったトロッコ


紀州鉱山で鉱石の運搬に使用されていたトロッコ。鉱石の運搬だけでなく、当時の人々の通勤や通学、買い物へ行く時にも使用されており、この地域で暮らす人々にとって日常生活に欠かせない移動手段でもありました。


瀞流荘駅(旧小口谷駅)に停車しているトロッコ電車の客車の様子です。
瀞流荘と湯ノ口温泉の間を結ぶ観光トロッコとして利用されていました。
現在は施設安全点検のため当面の間運休となっていますのでご注意ください。(2025年2月)

 

鉱石の重さを体験しよう


鉱石を実際に持つことができるコーナーもあります。
私も持ってみたのですが、鉱石の見た目の大きさに対して想像以上の重さにびっくり!

 

国内最大級の大蛍石は必見 巨大パワーストーン!

熊野市紀和鉱山資料館には全長77センチ、横幅は50センチもあるとても大きな蛍石(ほたるいし)が展示されています。きっとこんなに大きい蛍石はここでしか見られないので、ぜひ実物をご覧ください。


昭和37年に紀州鉱山で採取された蛍石で、見た目は透明な水晶のように見えますが、紫外線を当てると…


このようにとてもきれいで神秘的な色に変わります!蛍石は「天才の石」と呼ばれるパワーストーンとして有名で、集中力を高め知的想像力を象徴する石といわれています。これだけ大きいとすごいパワーがもらえそうですね。

いかがでしたか。今回紹介した展示内容はほんの一部です。紀和町の鉱山の歴史がもっと詳しく知りたくなった方や、大蛍石に宿る不思議なパワーにあやかりたい方はぜひ熊野市紀和鉱山資料館へ行ってみてください。こちらでは、鉱山の歴史の他にも、入鹿鍛冶の刀剣や大庄屋の観劇型展示、近隣の観光情報コーナーなど、さまざまな展示が行われています。

また、粘土状の鉱物“クレイ”を美容と健康に利用する「クレイセラピー」や、夜の館内を巡る「ナイトミュージアム」、鉄道模型の展示などといったイベントも開催しています。

今年は開館30周年という特別な1年ですので、ぜひホームページにてイベント情報をチェックしてみてください。きっと楽しい体験ができますよ!

【熊野市紀和鉱山資料館】
住所 三重県熊野市紀和町板屋110-1
電話番号 0597-97-1000
ホームページ http://kiwa.is-mine.net/
営業時間 9:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)
休業日 月曜日(月曜が祝日の場合、翌日が休館)、12/29~1/3休館
料金 大人310円、小中学生100円、6歳未満は無料
団体料金 20名以上 一般150円、小中学生50円、障害者の方及び
付き添いの方1名半額
駐車場 無料 約10台
公共交通でのアクセス JR熊野市駅から熊野古道瀞流荘線で約40分、板屋バス停にて下車
車でのアクセス 熊野大泊ICより国道42号、国道311号経由で約35分

 

紀和町のおすすめスポットやお祭りをご紹介
  • 湯元山荘 湯ノ口温泉
  • 道の駅 熊野・板屋九郎兵衛の里
  • 丸山千枚田

 


源泉かけ流しの秘湯 湯元山荘湯ノ口温泉


古くは南北朝時代、後醍醐天皇が金山発掘を手がけた際に温泉が湧出し、当時から地域住民の湯地場として利用されてきました。熊野材をふんだんに使用している温泉施設なので、木のいい香りが漂っており、落ち着いた雰囲気でとても癒されます。

また、温泉は内湯、露天風呂では立湯、寝湯、半身浴といった様々な入浴方法が楽しめます。ぜひ歴史ある源泉かけ流しの熊野の秘湯へ癒されにきてください。日帰り入浴はもちろん、湯治施設も完備しているので長期滞在も可能です。

【湯元山荘 湯ノ口温泉】
住所 三重県熊野市紀和町湯ノ口10
電話番号 0597-97-1126
ホームページ http://yunokuchi.com
営業時間 9:00~21:00(最終入場は20:15)
入浴料金 大人550円、小人280円(3~12歳)
浴場 内湯、露天風呂、貸切風呂(1,100円/60分)
駐車場 無料駐車場あり
車でのアクセス 大泊ICより国道42号、国道311号経由で約45分

宿泊施設等の情報はホームページをご確認ください。


道の駅熊野・板屋九郎兵衛の里


熊野市紀和鉱山資料館から徒歩1分のところにある「道の駅熊野・板屋九郎兵衛の里」。こちらでは熊野地鶏を使った食事や、地元産のかんきつ「新姫」を使った飲料や加工品、地場産野菜のほか、熊野市神川町でしか採石できない那智黒石などが販売されているので、熊野ならではのお土産を探してみてはいかがでしょうか。

【道の駅 熊野・板屋九郎兵衛の里】
住所 三重県熊野市紀和町板屋82
電話番号 0597-97-0968
営業時間 売店:平日 10:00~16:00、土日祝日 10:00~17:00
食事・軽食:11:00~14:00
定休日 毎月第2・3火曜日(8月除く)
駐車場 無料駐車場あり
交通でのアクセス JR熊野市駅から熊野古道瀞流荘線で約40分、板屋バス停で下車
車でのアクセス 熊野大泊ICより国道42号、国道311号経由で約35分
備考 EV充電施設 有(1台分)

 


日本の棚田百選にも選ばれた 丸山千枚田


小さな田が幾重にも連なり、四季折々の風景が美しい丸山千枚田。古くは慶長6年(1601年)に2240枚の田があった記録が残っています。鉱山で栄えた紀和町の労働者の兼業により棚田が維持されていましたが、1978年(昭和53年)に鉱山が閉山したことをきっかけに紀和町の人口は激減、それに伴い田の枚数も徐々に減り、平成初期には田の枚数は530枚まで減少してしまいました。

そこで立ち上がったのが丸山地区の住民のみなさんでした。1993年(平成5年)に「丸山千枚田保存会」を結成し、その後4年間で810枚もの田を復元されました。1996年(平成8年)からは千枚田オーナー制度を実施し、全国から集まったオーナーとともに田植えや稲刈り等の農作業を行い、棚田の保全に努めています。


丸山千枚田の中心にどんと構える大岩。少し傾くと転がり落ちてしまいそうですね。


3株しか植えられない、こんなに小さな田んぼもあります!

日本の棚田百選に選ばれた丸山千枚田は、日本の伝統的な風景が残る数少ない場所です。同じ場所でも春・夏・秋・冬とそれぞれの季節で見せてくれる美しい風景は、いつ来ても飽きることはないおすすめの場所なので、ぜひ一度訪れてみてください。

【丸山千枚田】
住所 三重県熊野市紀和町丸山
駐車場 無料駐車場あり
公共交通でのアクセス JR熊野市駅から熊野古道瀞流荘線で約35分、
千枚田・通り峠入り口バス停下車後 徒歩約30分
車でのアクセス 熊野大泊ICより国道42号、国道311号経由で約40分

 

いかがでしたか。
町内のいろんなスポットで長い歴史を感じることができる熊野市紀和町。
癒しの温泉などと合わせて、ぜひお越しください。

(ライター:向井Kさん)