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熊野古道伊勢路 一石峠・平方峠・三浦峠道(熊ヶ谷道)レポート 雄大な熊野灘の眺めを楽しみませんか?

更新日時:

紀北町


熊野古道伊勢路の一石峠・平方峠・三浦峠道(熊ヶ谷道)は、熊野古道らしい山道だけでなく、「紀伊の松島」とも呼ばれる熊野灘の優美な景観が楽しめます。美しい山道と雄大な海が交互に姿を現し、短い時間の中で様々な景色を堪能できます。加田教会前バス停からJR三野瀬駅まで約7.6kmありますが、山道はなだらかで整備が行き届いていますので、初心者でも歩きやすいコースです。

また、コース沿いに温泉や海岸があるので、立ち寄って一服するもよし、ウォークの後に改めて堪能するもよし、いろいろな楽しみ方ができます。ぜひ一度歩いてみてはいかがでしょうか。

 

■一石峠・平方峠・三浦峠道(熊ヶ谷道)ルートマップ

 

 


一石峠・平方峠・三浦峠道(熊ヶ谷道)のスタート地点は、国道42号沿いの加田教会前バス停です。ここから南(熊野方面)に向かって進みます。


少し歩いて、熊野古道であることを示す路面シートが貼られた脇道へ入ります。


脇道に入るとすぐに踏切がありますので渡って山の中へ入っていきます。


一石峠の登り口です。右側には無縁地蔵が佇んでいます。(ルートマップの➊の場所です。)


温和な顔の無縁地蔵は、旅人の安全を見守っているようです。


無縁地蔵から少し進んだ場所に一石峠・平方峠の案内板があります。一石峠は、天明2年(1783年)に出版された『巡礼指南車』に「日和よきときは舟になど乗らず一石古里へ」と書かれた由緒ある峠の一つだそうです。


一石峠への山道です。
ゆるやかな山道が続き、初心者でも景色を楽しみながら登ることができるはずです。


深い切り通しが見えたら一石峠です。案内板もあります。


一石峠の案内板です。
ここから平方峠へもゆるやかな山道が続きます。


一石峠を越えると海が見え始めます。


一石峠の南側の登り口まで下りてきました。
ここより少し手前の場所が平方峠です。
特に看板等がないため、わかりにくいかもしれません。


峠からしばらく下ると古里に入ります。
古里は料理の美味しい民宿が点在しています。


付近には古里温泉の日帰り入浴施設もあります。
古道歩きで疲れた後はここで一息入れるのも良いですね。


町中を過ぎた堤防の向こうには古里海岸が広がっています。


夏には大勢の海水浴客で賑わいます。浜の砂は砂利と呼ぶのをためらうほど細かな粒でした。裸足で歩くと気持ちよさそうです。


古道歩きでお腹が空いたら古里の国道42号沿いの「秀」で食事はいかがでしょうか。休日のランチタイムには2階の座席まで満席になる、知る人ぞ知る人気店で、魅力的なメニューが揃っています。


こちらは、お刺身ともう一品(煮魚や揚物)を楽しめる「おすすめ定食」。ライスを名物の「磯めし」に変更していただいたものです。


こちらは「車海老フライ定食」。さらに大きな「特大海老フライ定食」も人気があるようです。


古里海岸を左に見ながら国道42号沿いを歩いた後は古里トンネルの左脇の道を上りサボ鼻道に向かいます。


木製の手摺もあるサボ鼻道に入ります。


木々の間から海が見え、波音が聞こえてきます。


途中には展望台がありますので、ここでの休憩や写真撮影がおすすめです。(ルートマップの➋の場所です。)


展望台からの眺めです。前方に島々が点在していて「紀伊の松島」といわれるように素晴らしい景色です。写真撮影はぜひ天気の良い日に。


熊野灘の眺めを楽しんだ後はサボ鼻道から階段を下り、道瀬海岸に鎮座する若宮神社に向かいます。


若宮神社は、天明4年(1784年)、主祭神を応神天皇、大山祇命・倉稲御魂命・天児屋根命・菅原道真を合祀神として祀られたそうです。(ルートマップの➌の場所です。)


若宮神社から外に出るとすぐに赤い橋を渡ります。


赤い橋を渡って路面シートに従って道瀬海岸の堤防を歩きます。


道瀬海岸の途中には休憩所がありますので、ここでトイレ休憩をすると良いでしょう。


道瀬海岸の堤防沿いを歩きながら再び美しい海の景色が楽しめます。
広大な七里御浜と違って島々の見える海岸もまた味わいがありますね。(ルートマップの➍の場所です。)


堤防沿いの道が終わると、路面シートに従って再び山に向かって歩き出します。


ほどなく三浦峠道の登り口が見えてきます。


さらに歩くと石標と案内板が見えてきます。
ここからが世界遺産に指定されている道です。


三浦峠道の案内板です。ここから少しの間は急な上り坂となります。
江戸時代の地誌『西国三十三所名所図会』には、「三浦峠、坂道急なり。~峠を下りて三浦の里に至る。~長島より三浦まで行程二里ばかり~」と書かれているように、道瀬から峠までは急坂ですが三浦に下る古道は緩やかな勾配で、土地の人々からは熊ヶ谷道と呼ばれてきたそうです。


三浦峠も深い切り通しです。


見落としてしまいそうですが、切り通しの脇に三浦峠の標識がありました。


三浦峠は木や道の手入れが丁寧にされている印象です。先ほどまでは海の近くで波音が聞こえていましたが、峠では一転して心地よい静寂に包まれます。下りはなだらかで道も歩きやすく、日の光も差し込んで爽やかな気持ちになります。


三浦峠道の終点には石標と立派な木橋があります。この木橋は熊野古道の世界遺産登録を契機に復旧されたものだそうです。


道を下っていくと三野瀬駅に着きます。
バスを利用される方はさらに400mほど歩くと国道42号沿いに三浦バス停があります。
電車、バスいずれも本数が少ないので、事前にホームページ等でご確認いただくことをおすすめします。

いかがでしたでしょうか。
なだらかな道を歩きながら海と山が交互に楽しめるうえ、途中には温泉や食事、トイレ休憩の場所もあり、山歩き初心者におすすめしたいコースです。

特に「紀伊の松島」と呼ばれる景色は青が映える晴天の日に見ていただきたいです。
ぜひ一度歩いてみてください。

(ライター:紀宝町しょーじい さん)