これぞ絶景!息をのむほどの美しさを誇る東紀州の山々
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熊野市
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山と海の距離が近い東紀州では、大自然の絶景スポットがあちこちに点在。
山頂大岩から海も山もまちも一望する天狗倉山、青い海と緑の島のコントラストが映えるオチョボ岩、270度の展望が爽快な便石山、修験の行場であった大絶壁の大丹倉、低山ながらも爽快な景色に感動する大烏帽子山、神秘的なツエノ峰の雲海など、思わずため息が漏れる光景に登頂の喜びもひとしお。
そんな癒しの絶景スポットをご紹介します。
▼目次
1 天狗倉山 522m[尾鷲市]東紀州十座/東海100山
2 オチョボ岩(カンカケ山 494m)[尾鷲市・紀北町]
3 便石山(象の背)599m[紀北町]東紀州十座
4 大丹倉 488m[熊野市]東紀州十座
5 大烏帽子山 362m[紀宝町]東紀州十座
6 ツエノ峰 645m[熊野市]
1 天狗倉山 522m[尾鷲市]東紀州十座/東海100山
尾鷲市街地から北側に見える、どっしりとした山容が天狗倉山。
尾鷲の小学校では遠足で出掛けたり、初日の出登山にも人気の山で、ご近所には毎日登る強者もいるほど、地域で親しまれている山の一つです。
最も歩かれているのが、世界遺産・熊野古道馬越峠を経由して山頂へと至るルート。
登り口は紀北町の鷲下からと尾鷲市側の馬越公園からの2つで、熊野古道の雰囲気をたっぷりと味わいたければ、重厚な石畳が続く鷲下ルートがオススメです。
期待を胸に、いざ出発!
江戸時代に整備された端正な石畳が続く中、ヒノキ美林を進みます。
馬越峠に到着すると、ここから山頂ルートへ。
距離は短いのですが、待ち受けるのは急な登りの難所です。
階段状の道をグングン登り、いよいよゴールも近づくころ、見上げるほどの大岩が出現!
ここはかつて山にこもって修行する人が訪れた場所。
修験道と呼ばれ、頂上近くには修験道の開祖である役行者を祀った祠もあります。
先ほど見上げた大岩が山頂です。
尾鷲のまちと紺碧の尾鷲湾を見下ろす景色に感動、正面には尾鷲トレイルの峰々が連なっています。
大岩に掛けられたはしごを登ってみると、遥か遠くに大台ケ原の山々、眼下には清流・銚子川が流れています。
天狗倉山からさらに東にはスポット2つ目の「オチョボ岩」。
また馬越峠まで戻って西へと進めば、スポット3つ目の「便石山」。
どちらも距離がありますので、時間や体力に余裕をもって計画しましょう。
2 オチョボ岩(カンカケ山 494m)[尾鷲市・紀北町]
天狗倉山山頂から稜線を東へ進むと、オチョボ岩にたどり着きます。
ここは市街地を囲む尾鷲トレイルのルート上にある、360度を見渡す絶景スポット。
健脚向きですが、その眺望はお墨付き。まさに大パノラマの風景が待っています。
天狗倉山から約1.5キロ、カンカケ山の看板までたどり着けば、程なくしてオチョボ岩です。
遠くに見えるのは志摩半島、紀北町側の緑豊かな山々が突き出す地形はまるでジオラマ。
渡利かきで知られる白石湖も一望の元。
尾鷲湾には島々が浮かび、圧倒的な海の存在感に、思わず感嘆の声がこぼれます。
3 便石山(象の背)599m[紀北町]東紀州十座
便石山の象の背は、何度訪れても感動のあるビューポイント。
モンベルのSEA TO SUMMIT(シートゥーサミット)のコースにも組み込まれたスポットです。
キャンプinn海山付近からの登り口や、林道からの距離が短いルートなど、行き方はいく通りもありますが、せっかくなので熊野古道馬越峠経由で挑戦しましょう。
分岐点の馬越峠からはいったん下降、鞍部まで来ると傾斜のきつい登りに転じます。
階段状に道が整備されていますが、段差が大きく、一苦労。
時折ベンチもあり、尾鷲市街地の展望が開けています。
人工的な階段から岩がゴツゴツした道に出ると、右手に中部電力の反射板が見え、頂上まで間もなく。
平坦なスギ林に出ると便石山の三角点、ここから看板に従い斜面を進むと、巨石が出現。
勇気を振り絞って前に進むと、まるで象の背中のような大岩に!
眼下には美しい緑、銚子川、天狗倉山、そして熊野灘を一望。
まさに空、海、街、山の景色を独り占めする自然との一体感!
ひたすら歩いた階段道の苦労も疲れも、全て吹き飛ばされます。
4 大丹倉 488m[熊野市]東紀州十座
大丹倉は天狗が棲んでいたと伝わる大岩峰。
登り口までの県道(御浜北山線)には大丹倉を見上げる展望所もあり、その容姿をひと目見てから目指すことにしましょう。
林道終点に車を停め、そこから平坦な道を歩くこと、わずか5分で目的地です。
眼前には山並みの連なる絶景、山又山の光景に圧倒、まるで天狗になった気分です!
頂上には高倉剣大明神が祀られ、また天狗様と呼ばれる修験者で、鍛冶でもあった近藤兵衛という武士の屋敷跡(天狗鍛冶跡)もあります。
林道に戻って、表丹倉にチャレンジするのもいいでしょう。
「天狗山荘」の建物から山中へ、スギ林の急な登りをぐんぐん進み、尾根沿いに下ると目指す岩峰が見えてきます。
緑の中に、育生町の長閑な田園風景が広がっています。
5 大烏帽子山 362m[紀宝町]東紀州十座
頂上からは七里御浜の海岸や、熊野・紀州の山々が一望のもと。
低山ながらも開放的な眺めに、じわじわ人気のある山です。
道の駅紀宝町ウミガメ公園から井田観音を目指して集落の中へ。
みかん畑を進んでいくと、登山案内の看板があります。
平見登り口から山へと入り、シイやカシの雑木の中を歩いていると、やがてヒノキの植林地帯へ。
倒木などに注意して進みましょう。
棚田の石垣や苔むす石段も残り、生活道であった頃がしのばれます。
急坂を登りつめたところにあるのは、4つの「担い石」。
昔てんびんで荷を担いで通る人が、この石の上に腰掛け、休んだ場所なのだとか。
ほどなく三叉路に出て、ここから尾根伝いに頂上を目指します。
標高はそれほど高くありませんが、弧を描く穏やかな七里御浜に心癒されるひとときです。
6 ツエノ峰 645m[熊野市]
かつて鉱山で栄えた熊野市紀和町板屋の北に位置する標高645メートルのツエノ峰。
ここ数年、雲海の展望スポットとして、注目を集めています。
赤木城趾近くの田平子峠から林道を進むと、標高495メートルの地点にパラグライダー滑空場があります。
ここから眼下の紀和町に覆いかぶさるようにして雲海が発生します。
雲海は天候などの条件が整わないと見ることができない、レアな絶景。
紀和町一帯を覆うモコモコの雲海と、遠方に広がる熊野灘の神秘的な光景を望むことができます。
秋から冬にかけて寒暖の差が大きい晴天の早朝に雲海は現れやすく、さらに前日夜と当日朝の寒暖差が大きいと、出現率が高まるといわれています。
天候をチェックして、ツエノ峰に足を運んでみてはいかがですか。