透き通った青が魅力の海!秘境オハイから穴場までフォトスポットのご紹介
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紀北町
尾鷲市
熊野市
御浜町
紀宝町
リアス海岸の複雑な入江となだらかに弧を描く浜辺。
東紀州の海辺には対照的な2つの顔があります。
紀北町から紀宝町まで、直線距離にしておよそ70キロ。
白い雲と青い空に海が織りなす壮大な景観は、自然の雄大さや神秘性を感じさせてくれます。
海と山のパノラマが広がる高塚山展望台、県道から眺める天満洞、遊覧船で行くオハイや楯ヶ崎、波の音に癒される七里御浜と、海をテーマにしたおすすめの絶景スポットをご紹介します。
▼目次
1 高塚山展望台 74m[紀北町]熊野灘臨海公園
2 天満洞[紀北町]県指定文化財 朝日スポット
3 オハイ[尾鷲市]オハイブルー 〈遊覧船〉
4 楯ヶ崎[熊野市]海金剛 ガマの口 〈遊覧船〉
5 七里御浜[熊野市、御浜町、紀宝町]世界遺産 日本の渚百選 21世紀に残したい自然百選
1 高塚山展望台 74m[紀北町]熊野灘臨海公園
標高74mの高塚山は、熊野灘を一望できる見晴らしスポット。
紀北町の豊かな自然の中に「熊野灘臨海公園」が整備され、高塚山に展望台が設置されました。
木々の緑にあふれる坂道をおよそ5分。登り切った先に、突如現れるのが白亜の展望台で、円形の建物はこれだけでもちょっとしたフォトスポットです。
らせん階段で2階に上がったら、まずはぐるり360度回って、目の前に広がる熊野灘を思う存分味わいましょう。
どこまでも続く青い空と海、いくつもの島々”は紀伊の松島”……と、ため息が漏れる景色。
秋から冬の晴れた日には志摩半島まで見渡すことができ、無料の望遠鏡で細部までじっくり観察できます。
ここからの景色は多彩に変化します。
昼の青い空と海、島々の眺めはもちろん、夜、天の川の走る満天の星空、そして島々の合間から昇る赤い太陽……
季節や時間によりいろいろな顔を見せてくれ、そのどれもがとびきりの美しさです。
2 天満洞[紀北町]県指定文化財 朝日スポット
紀北町の矢口湾に沿って集落を走り、島勝浦トンネルを抜けると、左に見える船越海岸。
注意深く海に突き出た岬を眺めていると、ある角度でぽっかり開いた穴が見えます。
これは荒波によって浸食された洞穴の「天満洞」で、岩壁がトンネル状に貫通しています。
砂岩や粘板岩などが層になり、浸食に弱い部分が徐々に削られ、穴が空いたと考えられ、周辺の海岸にも海食洞は見られるようですが、天満洞は直径が約20m、奥行き約30mに達し、県下でも規模が大きいことで知られています。
「島勝の海食洞門」として、昭和53(1978)年2月に県の天然記念物に指定されました。
また船越海岸の沖に浮かぶのは、国指定の天然記念物「大島」。
貴重な暖地性植物がさまざまに生育し、原始に近い状態で保存されています。
この島は江戸川乱歩の少年探偵シリーズの「大金塊」に「岩屋島」として登場します。
天満洞まで陸からは行けませんが、県道を隔てた中熊小公園付近が展望スポット。
また正月の初日の出を船越海岸で見る人もいます。
天満洞が最も注目を集めるのは、春分と秋分の日の前後数日間です。
この時期には洞門から朝日が昇るとあって、太陽が洞門に収まる幻想的なシャッターチャンスを狙って、たくさんのカメラマンがやってきます。
大自然が時間をかけて生み出した海辺の風景に、昔も今も多くの人が魅了されています。
3 オハイ[尾鷲市]オハイブルー 〈遊覧船〉
尾鷲市九鬼町にあるオハイは、片道約1時間半の登山道で行ける秘境で、「オハイブルー」と呼ばれる光景は息を呑む美しさ。
オハイは熊野灘に面した九木崎にあり、一面に広がる巨大な岩から熊野灘が一望できます。
その切り立った崖の奥に光が差し込むと、海面が深い青色「オハイブルー」に輝きます。
この光景を陸から眺められるのは一日のうち、ほんの数時間。
話題の絶景地ですが、船で辿り着くオハイクルージングが出航しています。
クルージングを始めたのは、九鬼町でゲストハウスや釣り船などを運営する「縁場せいじら」です。
九鬼湾岸壁に係留された船に乗り込み、ライフジャケットを着て出港。
湾内を周遊すると、密集した民家を見渡せ、心地よい潮風を感じながら、クルージングを楽しめます。
「ナサ崎」から「マナイタ島鼻」、そして「九鬼定置漁業」が設ける漁場を訪れ、いよいよオハイに到着。
何層にも重なった岩場の壮大な景色が目に入ります。
オハイは地元の言葉で「大きな崖」。
漢字では「大配」と書き、配には崖や淵という意味があるようです。
その崖に船で近づき、そそり立つ迫力を直に味わえます。
オハイの後は「網干場」や、岩と岩の間が洞窟のように続く景勝地「蛇の口」などを巡り、約1時間半から2時間のコースとなっています。
縁場せいじら☎080-2080-3080鈴木さん
4 楯ヶ崎[熊野市]海金剛 ガマの口 〈遊覧船〉
美しい熊野灘、柱状節理、そして巨岩・奇岩の数々と、熊野特有の眺めを堪能できるクルージングが「楯ヶ崎観光遊覧船」です。
所要時間は約70分、「鬼ヶ城」近くにある松崎港から出航します。
まずは、突き出した岬に広がる「鬼ヶ城」。
海から見れば、地形の特異さが一目瞭然です。
荒波に削られた海蝕洞は、土地の隆起・風化・波による浸食の繰り返しによって育まれた、まさに自然の芸術です。
また、なだらかに弧を描く七里御浜と複雑に入り組むリアス海岸を同時に眺めるのも、この場所ならでは。
大きく旋回し、北東方面へ。
磯崎や遊木と海辺の集落は漁業が盛ん。渡船で磯へ渡って釣りを楽しむ人の多さにも驚きます。
しばらく進むと、岩場にカエルが口を開けたような大きな穴が見えてきます。
地元で「ガマの口」と呼ばれる、熊野版「青の洞窟」です。
天候などの条件がよければ、海面が真っ青に輝いて見えるとあって、イタリア南部のカプリ島にある観光名所に因んで名付けられました。
アクセスに陸路はなく、海路でしか近付くことはできません。
さらに北上すると、圧巻の柱状節理「楯ヶ崎」です。
柱状節理はマグマが地表を流れ、冷却固結する際、収縮して生じる岩体に発達した規則性のある割れ目で、それがいくつもの柱のように見えています。
国道から歩くルートもありますが、海上からは高さ80m、周囲550mの大絶壁を一望。
圧巻の景色です。
「楯ヶ崎」の裏側に回れば、「海金剛」。
断崖で秘境のような雰囲気が漂います。
断崖の真下へと近付き、そこから見上げると、目の覚めるような絶景。
乗船客の歓声が、切り立つ岩場に響きます。
熊野ならではの、ダイナミックな海景色を堪能できます。
熊野市観光公社☎0597-89-2229
5 七里御浜[熊野市、御浜町、紀宝町]世界遺産 日本の渚百選 21世紀に残したい自然百選
熊野市から紀宝町に至る、約22kmの「七里御浜」は、日本で一番長い砂礫海岸。
「日本の渚百選」などにも選ばれている景勝地で、その昔、熊野詣でをする人々にとっては「浜街道(世界遺産)」として、巡礼者が多く歩き、信仰の道としての役割を果たしていました。
また春から夏にかけて、アカウミガメが上陸する地として知られています。
荒々しい黒潮の流れを受けとめるこの浜には、熊野灘の荒波に磨かれた小石が敷き詰められています。
熊野川の上流からたどり着いた、さまざまな種類の石です。
七里御浜海岸と熊野灘を一望できる公園が、「七里御浜ふれあいビーチ」です。
国道沿いにある椰子の木が目印で、ハートの形をした石のモニュメントがフォトスポットにもなっています。
南国のような雰囲気があり、目前に広がる雄大な海に癒されます。